相続税の節税
タワーマンションでの節税
最近、タワーマンションを購入して賃貸するという節税が注目されています。
現金や株式で所有するより相続税額を計算する際の評価額が低くなるため、
特にタワーマンションは大きな節税効果が見込めるというものです。
例えば、現金であればそのままの金額が相続財産となり課税されますが、
タワーマンションであれば土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価されます。
路線価は時価の約80%、固定資産税評価額は時価の約60%と言われています。
賃貸していれば、更に評価額は下がります。
土地付き一戸建ても評価は同じですが、マンションは土地の持分が小さく、
建物の割合が大きいため一戸建てよりも時価と評価額の差が大きくなります。
また、中低層のマンションよりもタワーマンションの方が
1戸当たりの土地の持分が小さいので評価額が低くなる傾向があります。
中でも最上階の角部屋は、節税効果が大きいです。
マンション住戸の固定資産税評価額は、住戸のある階や方角等に関係なく、
専有面積に応じて一律だからです。
つまり、例えば、最上階の角部屋と1階の中住戸は、
専有面積が同じであれば固定資産税評価額は同じなのです。
従って、販売価格が高い住戸ほど節税効果が大きくなるのです。
ただ、節税目的で購入したタワーマンションの価格が
相続の発生までに下がる可能性があるなどリスクもあります。
売買時の諸費用や値下がり等のリスクを考えると、
課される相続税率が高くなければ、この節税は慎重に考える方が良いでしょう。
養子縁組の注意点
相続税の基礎控除の計算、
生命保険金等と退職手当金等の非課税限度額の計算、
これらの計算で「法定相続人の数」が用いられます。
この「法定相続人の数」には養子の制限があり、
実子がいる場合は養子は1人、
実子がいない場合は養子は2人まで含めることができます。
法定相続人の数が増えれば相続税の節税になるということもあり、
養子縁組をする方がいらっしゃいますが、
安易に養子縁組をするのは注意が必要です。
孫を養子にする場合は血縁関係があるので問題は少ないかと思いますが、
子供が娘しかいない、あるいは、娘ばかりの場合、
娘の夫を養子にすることがあります。
例えば、父母が長女の夫と養子縁組をしたとします。
その後、父が亡くなり、長女は夫と離婚。
離婚の際、母と長女の夫は養子縁組を解消した。
しかし、亡くなった父とは養子縁組が継続しているので、
長女が亡くなった際、長女と元夫は姉弟ということで、
元夫は長女の相続人となるのです。
亡くなった父との養子縁組を解消するには、
長女の元夫が死後離縁の手続きをしない限り、
他人が強制的に解消することはできません。
離婚しなければそれほど問題はないのかもしれませんが、
離婚の可能性は誰でもゼロではないので、
養子縁組をする際は慎重に良くお考えください。
相続対策と老後資金対策に有効な「賃貸併用住宅」
相続対策と老後資金対策に有効として、
自宅に貸家を併設する「賃貸併用住宅」が注目されています。
平成22年度の改正で、子供が自分の家を買って親と別居すると
相続時に土地の評価減が受けられなくなり、
相続税が発生するケースが増えています。
その対策の一つとして、賃貸併用住宅に建て替えれば、
相続時に賃貸部分の床面積に応じて一定の面積まで
土地の評価を5割減額できます。
また、家賃収入からローン返済や固定資産税などの経費を
引いた手元に残る資金を老後の資金に充てることができます。
ただ、これだけを聞くと一石二鳥の対策のように思いますが、
当然リスクもありますので、
ご検討される方は必ず税理士などの専門家にご相談ください。